結婚相談所への登録に必要な「独身証明書」ってどんなもの?

結婚相談所へ登録するためには、いくつかの書類が必要になります。身分証明書をはじめとして、収入証明書や最終学歴証明書などが必要ですが、普通に生活していると耳にすることが少ないものに「独身証明書」があります。文字通り独身であることを証明する書類ですが、結婚相談所を利用するにあたってこの書類が必要な理由とその重要性について今回はお話したいと思います。また、書類の取得方法などについてもまとめました。

独身証明書が必要なワケ

独身証明書とは、独身であることを公的に証明するもので、「結婚情報サービス・結婚相談業者提出用証明書」とも言います。別名のとおり、結婚相談所などのサービスを利用する時に提出するための書類になります。

日本では民法第732条により重婚の禁止が規定されており、これに抵触しないことを証明するために必須となります。婚活ビジネスを利用するにあたり、既婚者や結婚を目的としない利用者の入会を防ぐという重要な目的があります。

万一、真剣に結婚を考えている人が集まるサービスに、既婚者や遊び半分で利用している人が紛れ込んでしまったら、引き合わせた会員へ多大な迷惑やストレスなどを与えてしまうだけでなく、事業所自身やひいては業界全体への信用が大きく崩れてしまうことにもなります。こうした事態を防ぐためにも、仲人・結婚相談型の結婚相談所では、この独身証明書の提出はほぼ必須となっています。

昔は「戸籍謄本」の提出を持って独身であることを確認していましたが、戸籍謄本には独身であること以外の情報も記載されており、知られたくない情報が記載されている場合もあります。例えば家族内の血縁が特殊であったり、親の離婚歴などが当てはまるかもしれません。これらの情報は、結婚相手にはいずれ伝える必要性が出てくるかもしれませんが、それ以外の事業者等には知らせる必要のない情報です。

そのため、単に独身であることを証明するための書類として、独身証明書という形式が作られました。独身証明書には戸籍上の名前と生年月日、本籍地が書かれています。最後に、申請人が婚姻するにあたり民法732条(重婚の禁止)の規定に抵触しないことを証明する旨の記載があり、役所の捺印が押されます。

ただし、オンライン(インターネット)の結婚相談所や、マッチングサイト、アプリなどでは独身証明書の提出が必須ではないこともあります。登録者を多く集めるために登録の垣根を低くしているなどが考えられますが、今後書類取得の手続きなどが簡易化されれば、義務化が広がっていく可能性はあります。特に、恋愛相手を探す恋活系のオンラインサービスではその傾向が高いようです。

独身証明書の取得方法

独身証明書の取得は、本籍のある役所(区役所、市役所、町村役場)や出先機関で行えます。本籍地とは戸籍が置いてある場所のことであり、場合によっては現住所が実家でも本籍地は異なる場合があります。取得の際は自分の本籍地を確認しましょう。

窓口では、身分証明書(運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなど)を添えて申請します。この時の窓口は、住民票や戸籍謄本を発行する窓口と同じ場合が多いです。住民票などと同様に委任状があれば、代理人による申請・受け取りも可能です。

役所に出向くことが難しい場合は、郵送で書面を届けてもらうこともできます。この場合、本籍のある役所のWebサイトなどにある、各種証明書の請求ページに記載されている請求方法に従って申請用紙を請求します。届いた申請用紙に記入して返送しますが、この時必要になるものは以下の通りです。

●申請用紙

●手数料(定額小為替)…300円程度が多いですが自治体によって多少違いがあります。郵便局で購入します。

●本人確認のための書類…運転免許証や健康保険証など、送付先の住所と氏名が確認できるもののコピーが必要です。本人確認書類となりうるものは自治体によって違いがあります。

●返信用封筒…切手を添付した上で同封します。

※委任状…代理人や戸籍に登録されていない人が代わりに申請する場合に必要です。委任状は申請する代理人本人の自筆の署名が必要です。

郵送で申請した場合、1週間程度で届く場合が多いですが、自治体によっては時間がかかる場合もあるため、余裕を持って申請しましょう。

書類不要のサービスは信用できるか?

上記の独身証明書に加えて、結婚相談所への登録の際には、意外と提出する書類が多く、面倒と感じる人もいるかもしれません。具体的には住民票や収入証明、資格があればそれを取得したことを証明する書類、仕事をしている場合は在籍している会社の勤務地の住所が確認できる書類のコピーなども必要です。

加えて、近影(3ヶ月以内に撮影した写真)や結婚相談所の用意したプロフィールシートを記入するなど、初めにかなり労力を使うと思います。

ですが、面倒だからといって、これらの各種書類が全く不要なので楽、という観点で結婚相談所を選んでしまうのは非常にもったいないといえます。書類が不要ということは、入会時の審査がほとんどなく、誰でも利用できることになります。そうなれば既婚者やプロフィールを偽装した利用者が入会できてしまう可能性はゼロではありません。

逆に言えば、独身証明や身分証明が自分のユーザー情報にも表示されないということになります。お相手側から見ても、こうした情報があることで安心してアプローチができるため、スムーズに婚活が行えます。真剣に結婚を考えて結婚相談所を利用したいのであれば、身分証明や独身証明の提出が義務付けられているサービスを選ぶほうが得策です。

また、初めにも少し触れましたが、インターネットでのマッチングサイトや婚活アプリなどでは、はじめの登録時の段階では身分証や独身証明書の提出を求められることは希です。ただし、これらの書類を後から任意で提出することによって、利用できる機能が大幅に広がるようにデザインされていることが多いです。

例えばある大手の婚活アプリは、登録は無料で簡単なプロフィールの記入のみでできます。自分のプロフィールページが作成できたら、追加情報として本人証明の登録を行うことができます。身分証の提出方法は免許証などをスマホのカメラで撮影して画像で送信する形が多く、比較的簡単に行えるようになっています。

こうして本人証明が行われると、ユーザーが自分のページに訪れた履歴をより多く表示できるようになったり、お相手のプロフィール画面で表示される情報が増えたりします。また、メッセージのやりとりは本人証明が取れている相手どうしでしかできないようになっているサービスもあります。

同様に、独身証明や収入証明、学歴証明なども追加情報として任意で登録することができることがあります。こうした書類を提出すると、プロフィールページに「本人確認済み」「○○証明提出済み」などのアイコンが表示されます。ページを閲覧するユーザーにとっては、こうした情報が相手への信頼感につながり、マッチング率を高めることができます。

仲人型もオンラインの場合でも、自分の身元や独身証明があると、スムーズに婚活を勧めやすくなります。初めは手間がかかるかもしれませんが、ここをしっかりと行っておくことで、より早く、内容の濃いマッチングが得られるでしょう。

まとめ

結婚相談所の登録の際には、独身証明書のような、婚活に必要な書類の提出や、詳細なプロフィールシートへの記入などが求められます。こうした登録最初期にはある程度の時間と手間をかけた準備が必要になってきます。

最初に提出するものが多くて圧倒されてしまう人もいるかもしれませんが、これも自分に合ったお相手を最短で見つけるための重要な要素です。情報は多ければ多いほど、相手に与える信頼感が増します。また、こうした準備を進める中で、結婚へのモチベーションが上がったという人もいます。

必要書類の提出と審査が終われば、晴れて結婚相談所での婚活がスタートします。また、結婚相談所は携帯会社のように次々に乗り換えたりは簡単にはできません。自分の選んだサービスでより良い効果を得るためにも、事前の準備をしっかりと行いましょう。